
アメリカとイギリスは特別な関係のある国です。
イギリスの首相やアメリカ大統領が何度となく、両国の特別な関係について発言をしています。
私は米英の小説が好きで既刊のハヤカワ文庫ノベルスを中心に、ハヤカワ文庫ミステリと併せて数百冊以上読破しています。
小説は作者の世界観を通じて作品が構成されているので、それを大量に読むうちに、米英の特別な関係、アメリカ人、イギリス人のキリスト教に対する思いなどに触れてかなり感じることがありました。
簡単にいうと、アメリカとイギリスは同じ国と言っても過言ではありません。
(米英の小説家の世界観からいえば、ということです。)
日本人の感覚でいうとアメリカは北海道のイメージ、明治になって屯田兵を送り込み開拓した新天地、イギリスは京都のイメージ、1,000年の古都、昔の風習を伝えたゆかしい人々の住む地というとわかりやすいかも知れません。
違う場所に住んでいても日本人であることには違いありません、それと同じで英連邦の国々は住む場所と政府が違うだけで同じ民族、という感覚が根底に流れています。
この感覚は随所に出てきます。
アメリカから見たイギリスは親戚の口うるさいおじさん、厳格な父親、祖父のイメージです。
イギリスから見たアメリカは、正義感にあふれる元気いっぱいのたくましい息子(若者)、ただし、反抗的で暴れ者、手におえないのが玉に傷、といったところです。
アメリカの映画、TVドラマで繰り返し繰り返し取り上げられるのが父親と息子の愛情です。
古くは「逃亡者」、映画では「スターウオーズ」、「インディジョーンズ」など繰り返しこのテーマが描かれています。
また、アメリカの若者、息子像は反抗的で無軌道なイメージが好まれ、これも繰り返し描かれます。
この理由がやっとわかりました。
反抗的な息子はアメリカ、それ自身の投影であり、厳格な父親はイギリスの投影だったのです。
父と子の物語は実はイギリスとアメリカの関係を描いたものだったと解釈すると、この疑問が解消します。
政治・経済を支配している層から庶民に至るまで、米英で親戚同士の家系が数多くあることも事実です。
フリーメーソンや白人、WASPの陰謀論を解釈するときに、この関係を頭に入れて考えるとうまく説明できる場合が多いと思います。
いまは書きっぱなしの記事ですが(ブログだからねw)、追って傍証の事実を追記していきます。
白人と黒人の関係、イギリスとフランス、スペインの関係、キリスト教への篤い信仰、アメリカ南部の人種差別、アメリカ地方都市の慣習、英語の訛り、敬語についても気が付いたことがたくさんありました。
これらも興味深い内容がありましたので、機会をみて書いてみたいと思います。
【2011年7月17日追記】
傍証となる事実を追記します。
「america britain」で検索すると関連する記事がたくさん見つかります。
本記事の国旗画像を借りたサイトには次のような記述があります。
“Americans actually share the same set of basic human values and perceptions as their British cousins.”(アメリカ人はイギリスのいとこのように、基本的な人間としての価値観や認識などを実際に共有しています。)、また記事の冒頭にも “special relationship” (特別な関係)の記述があります。
検索のトップは「British America」のWikipediaが出てきます。1607?年から1783年までイギリスの植民地になっていた北米大陸の地域を表す言葉です。
また2番目は「Britain and America」というサイトです。解説の趣旨は次のように書かれています。「多数の欧米メディアの反アメリカニズムに緊急に対抗するために、必要な情報を提供します。BritainAndAmericaは2つの偉大な国の共通関心事に関する批評を毎日提供します。このブログは、強力な欧米関係は、安全で公正かつ繁栄する世界にとって重要であると信じます。」
少し検索しただけも両国の特別な関係は明らかです。
ただし、特に有事(戦争)の際に、イギリスがアメリカに従属的に賛成しているように見えることを良く思っていない、イギリス人も少なくありません。
アメリカは世界中で継続的に戦争を行っていますが、戦争を開始する際に国際社会の承認を必要とします。過去にイギリスがどの時点で賛成を表明したかという報道は、日本でもかなり詳細にされています。この承認を一番にする時と、国内の反対勢力が強い中でやむを得ずする場合があることを指しているものと思われます。
【関連リンク】
British America - Wikipedia ※日本語はありません。
Britain and America 上記で紹介したブログ。
World Needs Strong, Independent Britain ? And the Special Relationship Atlantic Council 米英の特別な関係を書いたニュース記事。本記事TOPの画像はここからお借りしています。
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