2011年07月17日

タイ, メコン川の謎の火の玉, Naga fireballs, บั้งไฟพญานาค


タイの北東部、ラオスと国境を接するメコン川流域で毎年陰暦11月の最初の満月の夜にナーガ・ファイアボール「龍神の光の玉」が川底から現れます。

この日は仏教僧が安居を終えるオークパンサー(出安居)の日で、僧が3ヶ月間の寺での修行を終えて自由に外出ができるようになる日でもあります。

英語ではNaga fireballs,タイ語ではบั้งไฟพญานาค, bangfai payanak, バンファイ・パヤナークと呼ばれる現象です。

場所はNongkhai(ノンカイ)県が有名で毎年シーズンにはホテルは満員、川には数十万人の人出があるそうです。川辺は人でぎっしり、お土産物屋も多数出店されます。イメージ的には日本の花火大会のような感じでしょうか。

※写真左右それぞれクリックすると大きくなります。

ノンカイ県はまた龍神信仰も盛んな土地です。おみやげに米軍兵士がリュウグウノツカイを抱えている絵葉書や額入りの写真が売られています。添え書きには、1973年6月、ラオス基地に駐屯していた米兵たちが捕えたと書かれています。

しかし、これは1996年にアメリカ、カリフォルニア州コロナドでNAVY SEALSが捕獲したもので、英文のwikiにも掲載されている有名な写真です。タイの土産物で売られているものはご丁寧に左右が反転しています。

内容の真偽はともあれ、地元の龍神信仰のイメージにぴったりの写真だったのでしょう。

火の玉の出現は日没から午後11時くらいまでの間です。川面から音もなく赤っぽい火の玉がスーッと上がって上空に消えていきます。火の色はピンク、赤(レッド・ルビー)で無煙、無臭。時間は10秒から50秒程度。大きさは小さなものから最大でバスケットボールくらいまで。高さは最大で数百mにまで上昇します。一か所で目撃されるのは数個から数百個までで、年によっても異なります。

地元の人は祖父母の代からこの現象を見ていたといいますが、一般に知られるようになったのは、1990年代にこの現象をお祭りにしたバン・フェイ・パヤ・ナーク・フェスティバル(Bang Fai Phaya Nark festival)が開催されるようになってからです。

ノンカイ県の寺院では火を吐く龍を祀るために様々な祭礼や式典が行われ、観光客もそれに参加することができます。

2000年代以降、この現象と祭りは国際的な名声を得て、タイ政府も積極的に後押しをしました。

観光場所はノンカイ県、ウボンラチャタニ県が有名ですが、流域250kmに渡り現象が起きるので、空いていて火の玉が多く上がる場所を探し、次々と観光開発されています。また、メコン川だけでなく付近の小河川、湖沼からも火の玉現象の報告があります。

さて、オカルトファンなら一番に気になる、この現象の原因です。

残念ながら、現在でもはっきりとした原因は解明されていません。

科学的な説としては川底の有機物が腐敗し、メタン(CH4)、リン(P)などからホスフィンガス(phosphine 分子式PH3 リン化水素、phosphorus hydride 猛毒!)が生成して、発火しているというものです。これはタイ科学省が調査結果として発表している説です。

夏季の高温で有機物が腐敗してガスが生成される。水温が下がり、その時期に月の引力が一番強くなる、陰暦11月の満月の日に可燃性ガスが浮上して発火するというのは、いかにもありそうです。

しかし、反論として自然界ではホスフィンガスはほとんど見つかっていない、という意見も出されています。

また、花火、曳光弾などのいたずら、やらせであろうという説もあり、いくつかの火球はこれに該当するものがあるかもしれません。龍神信仰のある地元に人々は、この説をいわれのない中傷だと感じているそうですが・・・。

信心深い地元の人たちは別の説を信じています。「龍神の光の玉」の名前通り、川底に住む龍神(Naga,ナーガ)が仏陀に対する信仰心と感謝の気持ちを表すために、火の玉を吐き出しているのだといいます。

タイ国政府は調査委員会を設置し、2002年から2年間マヒドン大学(Mahidol University)のメンバーを中心に調査を行いました。川床から試料を集め、ガスのモニタリングステーションを8か所に設置してガスの観測をしました。その結果が科学省が発表した公式見解になりました。しかし、川から試料を採取する際に地元住民とトラブルになったそうです。龍神の住む川底を荒すな、というわけです。

龍神伝説の解説が日本語でYoutubeに上がっていました。

タイ仏教から見た、龍神が火の玉を吐く現象をアニメで日本人にわかりやすく説明しています。

人間は不思議現象の原因を解明したくなる性質を持っていますが、このような自然現象は無理に原因を突き止めないで、伝説のままにしておいた方が良い場合もあるのかも知れません。

毎年起こる現象なので、タイへの観光旅行の際はぜひ見てみたいものです。

【追記】
不思議現象を全然書いていなかったので、以前TVで見たこの現象を書いてみました。記事の内容は英文とタイ語のwikiそれと英文の解説サイトから情報を集めて構成しました。

【関連リンク】
Naga fireballs - Wikipedia 英文wiki。日本語はありません。( ゚д゚ )
บั้งไฟพญานาค タイ語wiki。画像あり。英文より詳しい。
Naga Fireball タイ旅行を取り扱う旅行社の解説。写真ここから借りました。
What causes the Naga fireballs? メコン川火の玉現象の科学的な解説。ソースのリンク先も良い。
Youtube - naga fireballs 2008年の撮影の動画。動画はこれが一番いいかも。
Youtube - Fire Dragon Balls - Nongkhai, Thailand  ノンカイ県で2008年撮影の動画。

スポンサードリンク

posted by 桜 真太郎 at 18:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自然
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/95081064

この記事へのトラックバック