
バイキング1号が撮影して話題になった火星の人面岩。
火星の人面岩は、ムーにはずいぶん昔から掲載されているような気がします。1980年代にはすでに記事があったと思います。
この写真がもとで、火星には古代文明があった、人面岩は地球のスフィンクスの顔だ、人面岩の地下には火星古代文明の遺跡がある、NASAは隠蔽をしているなど、様々な憶測を呼び話題になりました。
しかし、今は21世紀。個人がインターネット経由で高解像度の一次資料に直接アクセスし、コンピュータで簡単に画像が加工できるようになりました。
私もこのブログを始めて、画像加工のスキルが大分上がりましたので検証してみました。
この発端となった画像が撮影されたのは1975年7月25日。バイキング1号が火星の「シドニア地区」と呼ばれる、北緯40.75度、東経350.54度付近を撮影した地形の中にありました。長さ3km、幅1.5kmの人面型の地形です。
そもそも、画像発表時にNASA自ら、「人の顔のように見える地形がある」とコメントをしています。
バイキングの写真では本当に人の顔のように見えます。他に情報が無い時点では、様々な憶測や情報の隠蔽が噂されるのは無理もないことかも知れません。
しかし、2001年にNASAのマーズ・グローバル・サーベイヤー (Mars Global Surveyor, MGS)、2003年に欧州宇宙機関 (ESA) のマーズ・エクスプレス (Mars Express) が相次いで火星に到達し、高精細の画像の撮影に成功しました。
さらには2006年にマーズ・リコネッサンス・オービター(Mars Reconnaissance Orbiter,MRO)が火星に到達し、HiRISE (High Resolution Imaging Science Experiment)と呼ばれるカメラで超高解像度の画像を撮影しています。
HiRISEは、口径50 cm の反射望遠鏡 (reflecting telescope) をレンズ代わりにもつ高解像度のカメラで、深宇宙の探査に搭載されたものとしてはこれまでで最大のものです。 理論上火星軌道の300 km上空から 30cmのものを見分けることができます。これは地球での一般的な商用衛星画像より高い精度です。
マーズ・リコネッサンス・オービターの素晴らしいところはアリゾナ大学と共同プロジェクトを行っており、撮影された写真が随時特設サイトにアップされることです。このサイトは以前「火星の植物の写真」の記事を書いた時に紹介しました。
ユーザー登録など煩雑な手続きをせずに、随時公表される高精細の火星画像の一次資料に直接アクセスできるのは素晴らしい。アメリカの懐の広さと底力を感じます。
さて、これらのサイトから入手した画像を加工して並べてみました。

画像は明るさ、コントラストの調整をしています。
どうみても、「人の顔に見える地形」以外の何物でもありません。また、同一の地形を撮影したものであることにも疑問の余地はありません。
一番左の画像はアリゾナ大の画像を明るさとコントラストを加工しました。

左:オリジナル 右:明るさ・コントラストを調整
各機関とも世界中が騒ぐので、それぞれ詳細な解説を付した特設ページを用意していますw
NASA バイキング画像との比較あり。
アリゾナ大学 HiRISE撮影の超高精細画像あり。
欧州宇宙機関 (ESA) 人面岩の立体図、周辺を含めた高解像度のカラー画像。
また英語Wikiでは詳細な画像比較をしています。

左:バイキングの画像 右:MGSの画像
※20mを1ピクセルの大きさにしています。
情報が無い時代にうわさが独り歩きするのは仕方がないことなのかも知れません。それにしても各研究機関の誠実な対応には頭が下がります。(´・ω・`)
【関連記事】
火星の植物の写真
【関連リンク】
火星の人面岩 - Wikipedia まずはここから。結構詳しい。
Cydonia (region of Mars) - Wikipedia 英語版。画像比較が詳細にされています。
欧州宇宙機関 (ESA) トップページ。
NASA 火星画像 バイキングが撮影した画像、人面岩の画像あり。
NASA/アリゾナ大学火星画像プロジェクト 高精細の火星画像を随時追加。
火星の人面像 月探査情報ステーションの解説
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