2011年09月27日

ニホンオオカミの血統を受け継ぐ幻の和犬 「川上犬」


2011年9月24日(土)長野県須坂動物園の川上犬「源竜」が死亡したというニュースが流れました。

源竜死す 天然記念物の川上犬
 須坂市動物園は23日、園内で飼育していた県天然記念物の川上犬「源竜(げんりゅう)」(オス)が21日夜に死んだと発表した。5歳6か月で人間なら40歳前後の壮年に相当するが、1年前から肝機能が低下し、今月19日から市内の動物病院で治療を受けていた。県長野家畜保健衛生所(長野市)で死因を調べている。

 源竜は2006年6月に入園し、手で触れることができる川上犬として人気者になった。しかし、昨年9月頃から耳や腹周辺の毛が抜け、肝機能低下の兆候が出始めた。今年3月から投薬治療を始めたが、餌を吐く状態が続いていた。

 同園によると、川上犬は国内でも数少ない純血種の日本犬。川上村で繁殖が行われているが、全国の飼育数が300頭程度にとどまる希少種だ。同園は「源竜は来園者に大変人気があり、残念な結果だ」と話している。

2011年9月24日 読売新聞


このほか朝日新聞47ニュースなどでも報道されました。

日本純血の固有種であり、全国で300頭程度しかいない貴重な種ですが、実はこの「川上犬」はニホンオオカミの血を引いているという伝承があります。

「秩父山塊のヤマイヌ(ニホンオオカミ)が、猟師によって飼い慣らされた。」「川上犬にヤマイヌ(ニホンオオカミ)を交配させた。」などの伝承が地元に伝わっています。

「川上犬」は長野県須坂市川上村で古来からカモシカ猟の猟犬として飼育されてきました。凛とした立ち姿の美しい和犬です。カモシカの猟場は切り立った断崖の岩場で、猟犬にはカモシカと同等以上の敏捷性と強靭な足の裏の皮が必要とされたため、ニホンオオカミと交配させてオオカミの優れた能力を受け継がせました。

大きな地図で見る
地図で見ても分かる通り、川上村は山深い山村です。

昭和58年には長野県の天然記念物に指定された川上犬ですが、その運命は平坦なものではありませんでした。

戦時中は食糧難のため「撲殺令」が出され、洋犬の流入と相まって、川上村の川上犬はほぼ絶滅状態となりました。しかし、絶滅を心配した村民の有志が八ヶ岳山中の木こりに純血種のつがいを託しました。戦後その子犬を引き取り村民の熱心な保存運動により、頭数を300頭程度までに殖やすことができました。

川上犬の歴史、詳細な解説は川上村の公式サイトにまとめられています。

川上犬の紹介   川上犬基礎情報   子犬の写真館

川上村にある「森の交流館展示犬舎」の解説板を書き起こしました。


天然記念物(長野県指定)川上犬 昭和58年7月28日指定


川上犬は体高 牡38〜45cm 牝35〜42cm。耳は三角形で厚く小さく、鼻の線に対して直角にたつ。

目は三角形で小さく、眼色は紅彩を帯びて濃い。尾は太く差尾、拳尾、毛色は赤柴、黒柴、白柴、赤白である。信州柴犬より体型がやや大きく精悍である。

川上犬は、かつて隔絶された山村であった川上村において猟犬として飼育され、大正10年小型日本犬として国の天然記念物に指定された。しかし、昭和10年小海線が全通し、外部との交流が激しくなると共に雑種化が進み、その結果、戦後には指定が解除された。一方村には熱心な愛犬家がいて、昭和35年川上犬保存会が再編成され、もどし交配等によって純血繁殖の基盤が確立し、現在では絶滅の危機はなくなっている。なお、川上犬は、既に絶滅しているといわれる十国犬、秩父犬とともに同種であるといわれ極めて貴重な在来家畜であり、その純種の保存のため、川上犬保存会が指定した川上犬の純血種のうち川上村で飼育されているものを生きた文化財として県天然記念物に指定された。

川上村教育委員会 川上犬保存会 樹木里犬舎


川上犬は種の保存のため、有志に子犬の分譲も行っています。しかし、現在1〜2年待ちであり飼育環境の審査もあるということです。希望する場合は、川上村公式サイト「川上犬の紹介」の一番下に連絡先が掲載されています。

特に長野県内で繁殖のために飼育する場合は、優先的に分譲を受けられるようで数ヶ月で分譲を受けられたケースもあります。

日本の固有種である貴重な川上犬。少しでも頭数を殖やして安定的に種の保存がされていくことを希望します。

私も飼ってみたいと思いますが、公式サイトによると都市部や高温多湿の地域では、子犬の分譲を断られる場合もあるようです。・゚・(つД`)・゚・

【関連書籍】


【関連リンク】
川上犬 - Wikipedia
川上村 (長野県) - Wikipedia
狼犬 - Wikipedia
長野県民 川上犬の子育て日記 川上犬・湖子姫の子育て日記。
川上犬-竜胆(リンドウ)号-の成長日記 多数の美しい写真。

スポンサードリンク

posted by 桜 真太郎 at 10:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | UMA
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/95081081

この記事へのトラックバック