2012年10月29日

ヴォイニッチ写本(ヴォイニッチ手稿)の謎

 
※左:青土社 2006年 「ヴォイニッチ写本の謎」 右:ボイニッチ写本Fig.32

中世ヨーロッパで作られた謎の写本、ヴォイニッチ写本。ヴォイニッチ手稿、ヴォイニッチ文書とも呼ばれる、全てが暗号で書かれ、謎の図版が記載されたテキストです。

「ヴォイニッチ写本」の名前の由来は、この写本の発見者であるポーランド系アメリカ人の古書商、ウィルフリッド・ヴォイニッチによります。ヴォイニッチさんが発見したから「ヴォイニッチ写本」というわけです。

錬金術の秘密を記した書、あるいは秘密の科学、生物学、薬品製造の方法を記した書とも言われ、人々の興味を惹きつけてきました。
 
※左:ひまわりのような植物の画像 右:池に女性がいるような画像。このシリーズは8枚位あります。

2004年に出版された日本語で380ページの解説書「ヴォイニッチ写本の謎」を読みました。ヴォイニッチ写本発見から、発見者ヴォイニッチの生い立ち、テキストの解説、暗号解読の歴史、など詳細な解説が書かれていました。

現時点での、日本語でのヴォイニッチ写本研究の入門書にして決定版と言える書籍です。

結論としては、日本語wikiとは異なり、やはり偽書説に重きを置いていました。

以下、この本のポイントとなる部分を要約し加筆しました。暗号解読の部分については、一部を除き、全く解読できていないので省略しています。

暗号解読は 「自分だけは、この秘密のテキストを解読できるのでは?」 と考えた多くの(中二病)科学者が、様々な方法で挑戦しましたが、誰一人成功していません。

逆に暗号の解読ではなく、この文字列は、ある方法で作られた意味のないものではないか、という説が日経サイエンス2004年10月号に掲載されています。

ポーランド系アメリカ人の古書商、ウィルフリッド・ヴォイニッチが1912年に、イタリア・ローマ近郊のモンドラゴーネ寺院で同書を発見したと主張する謎のテキスト、ヴォイニッチ写本。

現在はイェール大学付属バイネキー稀書手稿ライブラリが所蔵しています。全ページがカラーの原寸大でWEBに上がっています。興味のある方はぜひご覧ください。

VOYNICH MANUSCRIPT(ヴォイニッチ写本)
http://beinecke.library.yale.edu/digitallibrary/voynich.html
※画像下 「See all images」 → 画像上 「Show all images in this set」で全ページのカラー画像が閲覧できます。

この写本は、ロジャー・ベーコンが著者であるとして、1582年、ボヘミア王ルドルフ2世によって購入された歴史があるとされていますが、実はこの根拠もヴォイニッチが写本と一緒に発見したとする、いくつかの書簡があるだけです。

書簡のひとつは1665年8月19日付で、プラハ在住のクロンランドのヨアンネス・マルクス・マルチがアタナシウスに寄贈した際のものとされています。この中に、この手稿がロジャーベーコンの作であるということ、ボヘミア王ルドルフ2世が所蔵したことが記載されています。

偽書説の有力な候補として詐欺師、ペテン師を探すとすれば16世紀の水晶透視家、錬金術師のジョン・ケリーが挙げられます。相棒の英国人、魔術師・錬金術師として知られるジョン・ディーと共にヨーロッパ中を旅して、彼らの錬金術と霊的能力を信じてくれる馬鹿で金持ちの貴族を探し求めていました。

ルドルフがオカルト全般に興味を持っていたことを知った彼らは、全編暗号で書かれたベーコンが書いたという写本を携えてプラハにやってきました。もちろん、それは彼らの捏造で、ほんの少しだけ解読可能な部分を付け加えて、皇帝とその専門家に本物だと信じ込ませたのです。

詐欺は見事に成功し、皇帝は彼らから600ダカットの値でボイニッチ写本を購入しました。(皇帝の歓心を買うために寄贈したという説もあります。)

次に候補として挙げれれるのはウィルフリッド・ヴォイニッチその人です。稀覯本のバイヤーを生業としていたヴォイニッチは、経済的に不遇な時代が長く続きました。

詐欺事件を捜査するとすれば「動機・能力・機会」の有無が一番です。

法律すれすれの古書の売買をしていたヴォイニッチ。目利きの腕もあり、文字の様式と歴史に関する知識もあった。またボイニッチ自身は18ヶ国語を話したそうです。

ボイニッチ文書のことが記載された1600年代の書簡を入手した彼が、時間をかけて写本を偽造したとする説です。現にヴォイニッチはこの写本を16万ドルで販売しようとしていました。

いずれの説も当代の知識人が、時間と手間をかけて捏造したものなので、解読は困難であるということです。

※記事作成中。真書説、画像追加していきます。

【関連リンク】
ヴォイニッチ手稿 - Wikipedia ごく簡単な解説。どちらかというと偽書ではないという立場かな。
Voynich manuscript - Wikipedia 英文wiki。内容は「ヴォイニッチ写本の謎」に近く、良くまとまっています。

【関連書籍】
 
※現在購入できる書籍は上記の2点です。研究内容は右の「ヴォイニッチ手稿 第三次研究グループ」が2001年まで、左の「ヴォイニッチ写本の謎」が2004年までの内容が含まれています。

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posted by 桜 真太郎 at 17:57 | Comment(0) | 伝説・ミステリー
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