2012年12月30日

世界一、高価なお茶 中国 武夷岩茶 大紅袍


※大紅袍の4本の原木

日本人なら毎日飲むお茶。

ペットボトルでも緑茶、ウーロン茶、ジャスミン茶など色々なものがあります。

高価なお茶としては、緑茶なら京都宇治産の玉露、抹茶、中国茶であればプーアル茶のビンテージ物、紅茶であればダージリンの最高級品などがありますが、普通に販売しているお茶であれば、高くても100g数万円で購入することができます。

また、変わったもので高価なお茶と言えば、最近話題の中国産のパンダのふんを肥料にしたパンダ茶(500g 270万円、100gあたり54万円)や、台湾産ウーロン茶の珍品、茶葉につく蛾の幼虫のふんから作られたBug Shit Tea(蟲屎茶)(1.7g $170、100gあたり$10,000=約86万円)などが挙げられます。

ここで紹介するのは、中国茶でも最高峰と言われる国賓クラスしか飲むことのできない幻のお茶、武夷岩茶の大紅袍です。

英文wikiに書かれている未確認情報ですが、1972年にニクソン大統領が中国を訪問した際に、2011年の米ドル換算で25万ドル(日本円で約2,000万円)を支払って、大紅袍原木の茶葉を50g入手したそうです。

2002年に、この原木から作られたお茶が、広州(こうしゅう)茶博覧会に出品され、茶葉20gが18万人民元という高値で落札されました。2002年の人民元のレートは1元=15.09円です。これで日本円に換算すると271万6,200円になります。

※2002年広州茶博覧会に出品された、原木から取れた大紅袍。

これは20gの価格なので、100gに換算すると1,358万1千円になります。

100g1,358万円、間違いなく世界一値段の高い、世界最高級のお茶です。

面白いので調べてみました。中国兵連天下生態発展有限公司のHPに1998年以降のオークション出品記録と落札者が掲載されていました。出品はいずれも20gです。

オークション日時、場所、落札価格、落札者です。
1998年8月18日、武夷山、15.68万人民元(247万円)、海外投資(オーストラリア)有限公司 理事長 許栄茂氏

2002年11月25日、広州、18万人民元(272万円)、広州南シナ海漁村

2004年12月、香港、16.6万香港ドル(231万円)、蒋小紅氏

2005年4月13日、上海、19.8万人民元(266万円)、北京馬連道茶緑茶城 理事長 馬武氏

2005年4月17日、武夷山、20.8万人民元(279万円)、シンガポール 陳漢民氏

※当時のレートは人民元はここ、香港ドルはここを参照しました。日本円への換算額は千円の桁は四捨五入しています。

そして2007年10月10日に母樹の大紅袍から最後一回20グラムの茶を摘みとって、原木の350年の歴史で初めて、福建武夷山から正式に中国国家博物館に収蔵品として送りました。今後、武夷山はもう母樹の大紅袍の茶を作ることはありません、と書かれています。

2005年5月3日に大紅袍の原木から茶葉を作る全工程が武夷山旅游網に掲載されていました。抜粋して翻訳してみました。


2005年5月3日朝9時、茶葉を摘み取る前の大紅袍原木。


4本の原木から茶葉を摘み取ります。右下にも2本の原木が見えます。原木6本と記載される場合はこの2本が入るのでしょう。この時摘み取った茶葉の生重量は8.7斤(4,350g、約4.4kg)です。


大紅袍原木茶葉の拡大写真。下に観光客が写っています。


摘み取った生茶葉。これを乾燥させて半発酵させてから釜で煎ります。


2005年5月3日昼12時。葉を摘み取られた後の大紅袍原木。かなり茶葉を摘んでいます。


天日にあてて乾燥と半発酵させます。


釜で煎っている様子。発酵を止める2回目の煎りです。


出来上がった、2005年の原木産大紅袍。この時の出来上がりは915g。2005年4月に武夷山で行われたオークション価格で計算すると総額1億2千352万円です。

この年を最後に原木のお茶を作るのを止めた、というのは貴重な原木の保護のためでしょう。茶葉の採取の後の原木をみると葉がスカスカになっています。なお、武夷山市はこの原木に一億人民元の保険をかけているそうです。今日のレート1元=13.804528円で計算すると13億8千45万2千8百円です。13億円の保険をかけてもお金で買えるものでは無いと思いますが・・・。

さて、世界最高値のお茶、大紅袍が採れる武夷山とはどのような場所でしょうか。中国福建省にあり、岩山が並ぶ風光明媚な地域です。

※中国福建省武夷山のイメージ写真。


大紅袍はこのような谷の崖の中腹にあります。観光で普通に行くことができます。観光客が固まっている反対側、右側の崖の中腹にあるのが大紅袍の原木です。


大紅袍原木の遠景。最上段に4本の原木と右下に1本、更に一段右下にも1本の原木が見えます。英語、中国語、日本語たくさんの大紅袍の記事を読みましたが、原木の数が4本であったり、6本であったりしました。それは、この右下の2本を数えているか、いないかで本数が変わっているのでしょう。

下の茶畑には原木を接ぎ木で増やした、二世代目、三世代目の大紅袍の茶樹が栽培されています。我々が普段購入できる大紅袍の茶葉はこの二世代目、三世代目の茶畑から採れたものです。


大紅袍の茶葉と淹れたお茶のイメージ。もちろん原木産ではありません。大紅袍は半発酵の青茶と呼ばれるウーロン茶の一種です。

武夷山付近で取れるお茶を武夷岩茶(ぶいがんちゃ)といい、茶樹が岩山に生えていることからこの名前が付きました。青茶の中でも最も貴重な物の1つで、香木や花に似た香りが高く、渋みだけでなく華やかな甘みを感じるのが特徴です。また、香りや味わいが、数煎目まで変わりながら持続するといわれています。その最高のものが大紅袍です。

さて、大紅袍の名前の由来ですが2つの説があると言われています。

ひとつが、新芽の色が赤いところからこの名がついたという説です。

※大紅袍の赤い新芽。

もうひとつが、明代の皇帝がこのお茶を飲んだことで病気が治り、感謝の気持ちとして茶樹に着せるため大きな赤い長衣(大紅袍)を送ったことに由来する、という説です。

中国語の大紅袍のwikiには皇帝のくだりがもっと詳しく書いてあるのですが、中国語はちょっと苦手なので、英文wikiに記載されている簡単な由来を書きました。

世界に4本(または6本)の茶樹からしか採れない、世界最高値のウーロン茶大紅袍。一度は飲んでみたいものです。

【関連記事】
世界一高価なお茶(その2)蟲糞茶(虫糞茶)"Bug Shit Tea "

【関連リンク】
武夷山 大紅袍 原木および周辺の2003年の訪問記。良い写真たくさんあります。
Da Hong Pao - Wikipedia 大紅袍の英文wiki。中国語の方が詳しい。日本語は無し。
武夷岩茶 - Wikipedia 大紅袍を含む岩茶の解説。日本語はこれだけ。
鳴小小一碗茶 朝日新聞に掲載された大紅袍のコラム。
「大紅袍」第1世代茶葉、オークションに 2002年のオークションの記事。
中国語wiki大紅袍の記事 百度百科 互?百科
Amazon.co.jp- 大紅袍 Amazonでも買えます。25g1,000円から1,500円位が相場のようです。

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posted by 桜 真太郎 at 18:06 | Comment(0) | まめ知識
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