2012年11月25日

奇妙で不思議な生物 TOP5

地球上に住む奇妙な生物を集めてみました。

見た目の奇妙さだけではなく、生態や、希少性などからインパクトのある生き物たちです。記事を読んでくれるみなさまに、知らないものがひとつでもあれば幸いです。

1位 ベニクラゲ 学名:Turritopsis nutricula

※群れで泳ぐベニクラゲ。直径4〜5mmの小さなクラゲです。


※ベニクラゲの拡大画像

透明な体に赤く透けて見える消化器官の美しいクラゲです。ベニクラゲは透けて見える消化管が赤いことから名づけられました。研究では地中海産のベニクラゲが有名ですが、世界中の温帯の海に普通に棲息しています。

知ってる人は知っていますが、不老不死の生物として有名なクラゲです。下記の図に示したようにクラゲの生態自体が奇妙なものですが、ベニクラゲはなんと一般的に知られているクラゲの形の成体のときに、退化して再びポリプに戻ることができます。ポリプが成長すると、再び成体が生まれます。実験下では最大9回の若返りまで成功しています。

通常、成体は有性生殖を行い卵を残して寿命を迎えますが、ベニクラゲは触手の収縮や外傘の反転、サイズの縮小などを経て再び基物に付着し、ポリプとなります。

人間の永遠の夢である不老不死を実現している生物です。これほど不思議な生物は地球上でこのクラゲと、もう一種のクラゲしか知られていません。堂々の1位です。


※一般的なクラゲの生活史。 画像引用元:プランクトン研究室


※A: 成長したベニクラゲ。D: 退化中のクラゲ。E: 肉団子状のベニクラゲから若返り開始。F, G: ポリプに幼いベニクラゲの芽ができ、幼いベニクラゲが泳ぎだす。A→D→E→F→Gを繰り返し続ける。B+C→H: 卵と精子が合体して次世代のプラヌラ幼生が誕生し、これが若いポリプへと変態する。図・解説引用元:永遠の生、おひとついかが?

ベニクラゲ - Wikipedia 詳しく書かれています。動画へのリンクもあり。



2位 クマムシ 学名:Tardigrada(緩歩動物) 英名:water bears

※クマムシの画像。別カット


※かわいいのか、気持ち悪いのか、クールなのか微妙です。

クマムシは、緩歩動物門に属する動物の総称です。世界中で1000種類以上が知られています。4対8脚のずんぐりとした脚でゆっくり歩く姿から緩歩動物(かんぽどうぶつ)、また形がクマに似ていることからクマムシと呼ばれています。

英名は"water bears"、水熊です。体長は0.05mm〜1.7mm。熱帯から極寒の両極、深海、高山、温泉の中まで陸上、水中のあらゆる場所に生息しています。エサは堆積物中の有機物に富む液体や、動物や植物の体液(細胞液)を吸入して食物としています。

地球上のあらゆる極限状況に生息しているのみならず、クマムシをゆっくりと乾燥させて「乾眠」という状態にすると、代謝が止まった樽(たる)状の姿になり驚異的な生存能力を示します。

  • 乾燥 : 通常は体重の85%をしめる水分を0.05%まで減らし、極度の乾燥状態にも耐える。

  • 温度 : 151℃の高温から、ほぼ絶対零度(0.0075ケルビン)の極低温まで耐える。

  • 圧力 : 真空から75,000気圧の高圧まで耐える。

  • 放射線 : 高線量の紫外線、X線等の放射線に耐える。X線の致死線量は57万レントゲン。(ヒトの致死線量は500レントゲン)

  • 宇宙空間:宇宙に直接さらされても10日間生存できることが実験で確かめられている。

  • 乾眠状態のクマムシに水分を与えると元の姿に戻り活動を始めます。これが一旦死んだ状態から甦ったのか、活動を休止していただけなのかについて、長い論争がありました。現在は活動を休止しているだけであることが分っています。

    驚異の生存能力と不思議な愛らしい姿で堂々の2位。

    緩歩動物 - Wikipedia クマムシ類のwiki。よくまとまっています。
    クマムシ - 水熊 クマムシのクールな電子顕微鏡写真たくさんあります。



    3位 オニナラタケ 学名:Armillaria ostoyae

    ※北米のオニナラタケの画像。

    世界最大の生物。みなさんは何を想像するでしょうか?

    体長33m、体重200tのシロナガスクジラでしょうか?

    ※遊泳するシロナガスクジラの親子

    それとも、樹高83m、重量1300t、樹齢2700年のジャイアントセコイアでしょうか?

    ※最大のジャイアントセコイア(セコイア デンドロン)、シャーマン将軍。樹高83m、重量1300t、樹齢2300〜2700年。ジャイアントセコイア "Sequoiadendron giganteum"は世界最大の樹木です。生きている化石と言われるメタセコイア "Metasequoia glyptostroboides"、普通のセコイア "Sequoia sempervirens"ともにすべて別種であり、この3種はどれも現生植物としては1属1種の別種です。

    実は世界最大の生物は、クジラでも樹木でもなく、キノコです。

    1992年、アメリカ、ミシガン州の山中でキシメジ科のキノコ、ヤワナラタケ "Armillaria gallica" の菌床が発見されました。面積は6.5平方km(600ヘクタール、東京ドーム138個分)、推定重量は約100t、推定年齢は約1500歳というものです。これはDNA鑑定により単一の生物であることが判っています。

    しかし、1998年にアメリカ、オレゴン州の東部でこれを上回る規模の菌床が発見されました。同じキシメジ科のキノコ、オニナラタケ "Armillaria ostoyae"です。総面積は約10平方km(965ヘクタール、東京ドーム206個分)、推定重量約600t、推定年齢は約2400歳の巨大キノコです。

    重量はジャイアントセコイアに負けていますが、大きさでは勝っています。推定年齢は互角でしょうか。文句なしで世界最大の生物です。

    これはこの面積に巨大キノコが生えているということではなく、地中にある菌糸(かびのような細胞)がその広さに広がって、菌床を形成しているということです。我々が普段目にするキノコは「子実体」と言い、胞子を作る役割を持つもので、キノコ本体ではありません。キノコの本体は菌糸です。

    この画像が良く分ります。生えているシイタケは「子実体」、しいたけの生えているおがくずのブロックが白くなっているもの、これが菌糸で、菌糸の集合体を菌床と呼びます。この写真に写っているシイタケは「菌床栽培」のシイタケです。昔ながらの丸太に種菌を植え付ける栽培法は「原木栽培」です。スーパーでシイタケを買う際に、どちらの栽培法か見るのも面白いでしょう。


    ※世界最大の生物発見を記念して、オレゴン州の森林に作られたキノコの巨大オブジェ。しかし、形がどうみてもCep(ヤマドリタケ)です(笑)。余談ですが、Cep(セップ)、ヤマドリタケはイタリア料理のポルチーニ茸で、欧米では食用として最も愛されているキノコのひとつです。欧米人がキノコ、と言った場合にこの形をイメージしてしまうのは止むをえません。

    ナラタケといえば、日本でもおなじみの枯れ木に生えるキノコです。ボリボリ、サワモタシなどの異名もあります。収量も多く味、歯ごたえ共に良い美味しいキノコです。ただ、消化があまり良くないので食べ過ぎには注意が必要です。

    日本人に最もなじみ深いキノコのひとつと言って良いのではないでしょうか。

    しかし、それが寿命2400年を生き、10平方kmの広さに広がり、重量600tに及ぶとは、地球にはまだまだ不思議があります。これは1992年、1998年ともにニュースになりましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

    この記事を書くにあたって、英文サイトを見ました。アメリカ人もこのキノコが好きなようで、バターとにんにくをたっぷり入れて料理したい、という記述がありました(笑)。オニナラタケはナラタケに比べ、若干食味が落ちるという人もいるようですが、アメリカ人は好きなようです。

    奇妙だが真実である。地球最大の生物である真菌。 Scientific Americanの記事(英語)。
    Giant Mushroom Largest Living Organism ABCニュースの報道




    4位 シャンハイ・ハナスッポン 学名:Rafetus swinhoei

    ※中国蘇州、蘇州園のシャンハイハナスッポン。

    世界最大の淡水ガメである上海花鼈(シャンハイハナスッポン)。英名は"Yangtze giant softshell turtle"、「長江の巨大スッポン」です。

    日本で食用にするスッポンは最大でも体長40cm程度でしょう。こちらのシャンハイハナスッポンは体長が1mにもなります。そして、大きさもさることながら、世界で3体しか生体が現存していないことでも有名です。

    大きさは幅70cm、長さ1m、体重70kg〜100kgにもなります。寿命は100年以上生きると考えられています。

    シャンハイハナスッポンはもともと、長江下流や太湖付近に多く生息していましたが、食用のための乱獲や生態系の破壊により、1972年以降、中国で野生の個体は発見されていません。現在は100歳を超えるオスと80歳を超えるメスが1匹ずつ蘇州の動物園(蘇州園)で飼育されており、国家一級保護動物に指定されています。

    シャンハイハナスッポンは中国では1990年代に入るまで普通のスッポンと同じように食用にされてきました。1993年に蘇州科技学院の趙肯堂教授が初めて「シャンハイハナスッポン」と命名し、保護を訴えたましが、その頃には中国国内にわずかな個体しか残っていませんでいた。

    中国で飼われている2頭のシャンハイハナスッポンは幸いにも雄と雌で、現在は2頭とも蘇州の動物園(蘇州園)で飼育され、繁殖が期待されています。しかし、2頭とも老齢であることが心配な点です。生殖能力は失われていないとされていますが、メス(45kg)が80歳以上、オス(90kg)は100歳を超えているといわれていますので繁殖は難航しています。

    自然界では絶滅したと思われていた、シャンハイハナスッポンが、2011年にベトナムで発見されました。

    ※2011年、ベトナムで捕獲されたシャンハイハナスッポン。


    ※別カット。甲羅の前縁、前肢がピンク色になり、皮膚病と怪我を負っています。

    2011年4月、ホアンキエム湖で100歳を超える伝説の巨大カメを捕獲する作業が行われました。捕獲は治療のためで、数千人が見守るなか、特殊部隊の兵士を含む数十人が参加して体重約200kgのカメを捕まえました。湖の汚染と、他の動物からの攻撃で怪我と皮膚病があり治療のため捕獲されました。この個体は雄でした。

    上位、3位以内と比較しても遜色ない不思議生物ですが、今回は4位となりました。

    この記事を書いていたら、すっぽんを食べたくなりました。絶滅危惧種のシャンハイハナスッポンは食べられませんが、こんな大きなスッポンはどんな味がするのか気になります。

    <絶滅の危機>残り2匹となったシャンハイハナスッポン―中国 レコードチャイナの記事。日本語。
    伝説の巨大スッポン、ベトナムで米チームが野生の個体を発見 AFPBB News。日本語。
    ベトナムで「伝説の巨大カメ」捕獲、特殊部隊も参加 ロイター通信の報道。日本語。
    Yangtze giant softshell turtle - Wikipedia 本種のwiki。日本語なし。
    スッポン - Wikipedia スッポンのwiki。スッポン鍋食べたい(笑)。


    5位 HeLa細胞(ヒーラ細胞)

    ※Hoechst 33258(ヘキスト33258)で染色したHeLa細胞。

    ※分割走査型電子顕微鏡で撮影したHeLa細胞。

    細胞ががん化すると不死性を獲得するというのは良く知られていますが、今から50年以上前、無名の黒人女性から採取された細胞が世界中の研究室で培養され、科学の発展に役立っているということをご存じでしょうか。

    以下は「不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生」のBookデータベースの概要です。
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    彼女の名はヘンリエッタ・ラックス。だが、科学者には「ヒーラ」として知られている。1951年、貧しい黒人のタバコ農婦だった彼女の身体から、本人の同意なく採取された癌細胞は、のちに医学界のきわめて重要なツールとなる。それはポリオワクチンの開発、クローニング、遺伝子マップの作製をはじめ、幾多の研究の礎となった。しかし数十億個という膨大な単位でその細胞は売買されてきたにもかかわらず、ヘンリエッタは死後も無名のままにとどまり、彼女の子孫もまた健康保険すらまかなえない境遇に置かれていた―。倫理・人種・医学上の争い・科学的発見と信仰療法、そして、亡き母への想いと葛藤に苦悩する娘の物語を鮮やかに描いた『ニューヨーク・タイムズ』ベストセラー。
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    ※ヒーラ細胞の生みの親、ヘンリエッタ・ラックス。HeLaは "Henrietta Lacks" の頭文字二文字ずつをとって「HeLa」と名付けられました。



    ※ヘンリエッタ・ラックスと夫のデビッド・ラックス。


    ※ヘンリエッタ・ラックスの墓石。

    通常、ヒトの細胞分裂は平均50回ほどであり、最大でも60回までの分裂が限界です。ヒーラ細胞はこの限界を超えて無限に分裂をすることのできる、不死の細胞です。

    ヒーラ細胞は、不死の細胞であるばかりではなく、世界で初めて安定的に培養することができたヒトの細胞でもあり、世界中の研究所に提供され、がん研究や製薬などに役立てられました。ヒーラ細胞に関わる研究論文は、6万5千を越えています。ポリオワクチンの発見にも役立ち、彼女が亡くなった原因の子宮頸がんを引き起こすヒトパピローマウイルスの発見は、ノーベル賞受賞にもつながっています。

    実験材料として、これまでに培養されたヒーラ細胞は、推定で計5千万トンを超えると上記書籍に書かれていますが、アメリカではこの点で論争が起きていて、50万トンだ、いや50万トンでも過剰ではないか、と意見が分かれています。

    いずれにしても、世界中で現在も彼女の細胞が培養され、科学研究の礎(いしずえ)となっているのは事実です。

    生物の種ではありませんが、この不思議な細胞も生きている生命です。不思議さ、インパクトの大きさから5位にしてみました。

    不死細胞ヒーラ  ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生
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    HeLa細胞 - Wikipedia まずはここから。
    ヘンリエッタ・ラックス - Wikipedia ヘンリエッタの生涯の解説。



    Top10にしようと思いましたが、5位で挫折しました。OTZ

    6位以下の候補は次のようなものです。別記事にまとめたらリンクをつけていきます。
    ・世界最大、タイの巨大淡水エイ
    ・化学合成系生態生物群(熱水鉱床)
    ・鯨骨生物群
    ・南米アンデス山脈の巨大植物 プヤ・ライモンディ
    ・世界最大の花 ラフレシア&スマトラオオコンニャク
    ・驚異!100年以上生きた魚介類(海産物)
    ・深海の美 深海クラゲ類

    なかなか、インパクトのある生物を集めるのも大変です。

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    posted by 桜 真太郎 at 10:19 | Comment(1) | 自然

    2012年11月20日

    スターゼリーとインドの赤い雨の謎 "Blood Rain and Star Jelly"


    ※2009年にスコットランドで目撃されたスターゼリー。


    ※上の写真の遠景。スターゼリーがどのような場所にあるか、良く分かります。

    2012年11月19日(月)日本テレビ系列で放送された「世界まる見え!テレビ特捜部 秋の夜長のミステリー&都市伝説スペシャル」を見ました。

    ゲストは次のとおり。
    荒俣宏、片平なぎさ 栗原類 関暁夫 高橋英樹 千秋 中川翔子

    そのうち、ナショナルジオグラフィックチャンネルの「赤い雨(血の雨)とスターゼリー "Blood Rain and Star Jelly"」と「モントークモンスター」が面白かったので調べてみました。「モントークモンスター」は別記事にします。

    45分の "Blood Rain and Star Jelly"の番組全部が720dpiのハイビジョン画質でYoutubeに上がっていました。


    番組の概要は次のようなものでした。

    地球には毎日、彗星のかけらや小惑星が100トン以上も大気中に降り注いでいます。

    1969年9月28日に流星群がオーストラリア、マーチソンで見られました。科学者たちは、後に隕石のかけらを200ポンドを集め、その中にアミノ酸などDNAを構成する物質を発見しました。

    NASAはこの流星物質を研究し、シアノバクテリアを発見しました。それらは多くが地球上で知られているシアノバクテリアの属と種に識別することができました。

    宇宙から来たと思われるゼリー状の物質は、スターゼリーと呼ばれています。それらはastromyxin、スタースライム、星から来た腐敗物、およびブロブ"blob"として知られています。スターゼリーは、普通、流星群の後に発見されています。記録は中世以降になりますが、多分それ以前から見られたものでしょう。

    スターゼリーは、多くの場合、硫黄や腐った卵のような悪臭を伴います。この謎の物質は一度触れると崩れ去り、溶けて無くなってしまいます。このスターゼリーは世界中の様々な科学者によって採取され、分析されてきました。

    この奇妙な物質の例としては、1950年フィラデルフィアで降ったものがあります。二人の警官が空から物体の落下を目撃しました。彼らはそれが落ちている場所に急行し、隕石の代わりに、地面にゼリー状の物質を見つけました。結晶のようなドーム型の円盤状の、直径1.8m、紫がかったような霧を放出する物体でした。警察官の1人は、それを手で触りましたが、溶解し棒状のかすが残りました。

    この事件は、「ブロブ」 "The BLOB"というホラー映画を生み出しました。映画の元になったこの事件については意外と知られていません。

    この映画は日本のテレビでも、「人喰いアメーバの恐怖」というタイトルで放映されました。TV放映もされ夢中で見たものです。放映の翌日は、学校などでも結構話題になりました。下記Amazonのレビューにも同様の書き込みがあります。また、これをきっかけに"BLOB"というモンスターも誕生し、WizardryなどのRPGゲームに登場しています。
     
    左:映画「The BLOB」。邦題「人喰いアメーバの恐怖」。1958年製作。
    右:映画「Beware! The Blob/Son of Blob 」。邦題「人喰いアメーバの恐怖2」。続編1972年製作。
    ※画像クリックするとAmazonに飛びます。

    別の事件が1979年8月にテキサス州フリスコで起こりました。シビルクリスチャン夫人がペルセウス座流星群の後、庭に紫色のスターゼリーを発見しています。彼女はそれを、ホースで洗い流しました。

    1994年8月ワシントン州オークヴィル。ペルセウス座流星群の後ゼリー状の雨が町中に降りました。ビバリー・ロバーツは、庭の木の枝を覆っているゼリーを発見しました。このゼリー状の物質に触った多くの人が、激しいめまいを起こし、病気になり、多くの人が入院する事態となりました。そのゼリー状の雨はオークヴィルの街にに散発的に降り続けました。住民は町の上空を黒いヘリコプターが何機も飛んでいるのを見たと主張しています。

    ブラックヘリコプターが人体に有害なケムトレイルを散布している、という陰謀論に関連する主張です。

    マイクマクドウェル博士は、この物質を分析し、病気の原因となる有毒物質を出す2つの生物を発見したと述べました。しかし、その後研究室からそのサンプルは消え去っていました。

    冷凍庫でゼリーの一部を保管していた他の住人が、それを民間の研究施設に送って分析を依頼しました。微生物学者ティム・デイヴィスは細菌や核を持つ真核細胞を発見したといいます。

    スコットランドで2009年にゼリー状の物質が大量に目撃が報告されました。これはBBCのニュースにもなっています。

    インドに降る赤い雨は2001年に起こった事件が有名です。

    ※インド、ケーララ州で降った赤い雨。(画像はイメージです。)

    2001年7月25日から9月23日にかけてインド南部のケーララ州で赤い色の雨が度々降りました。ひどい時には服がピンクに染まるほどだったと言います。色は黄、緑、黒に近い場合もありました。なお、ケーララ州で色が付いた雨が降ったという報告は古くは1896年にあり、それ以来、数回報告されていいます。

    隕石や彗星内部に生物が潜んでいて、それが降った後に赤い雨や、スターゼリーを降らせているのではないか、という説を番組では紹介しています。

    その例として、地球上の生物で最も苛酷な環境に耐えることのできる生物、「クマムシ」を取り上げていました。クマムシは「乾眠」という状態になると、とても生物が生存できない状況でも生き延びることができます。

    クマムシの生存できる極限状況は次のとおり。(Wikiから引用)
    乾燥 : 通常は体重の85%をしめる水分を0.05%まで減らし、極度の乾燥状態にも耐える。
    温度 : 151℃の高温から、ほぼ絶対零度(0.0075ケルビン)の極低温まで耐える。
    圧力 : 真空から75,000気圧の高圧まで耐える。
    放射線 : 高線量の紫外線、X線等の放射線に耐える。X線の致死線量は57万レントゲン。(ヒトの致死線量は500レントゲン)

    しかし、数百年前からスターゼリーやインドの赤い雨は知られており、それでも我々人類は特に問題も無く生活しているので、もしそれが事実だとしても、心配することはないようです。

    さて、謎解きです。

    まず、スターゼリーの謎から原因を考えていきます。

    日本語は相変わらず、世界においてはマイナー言語で、日本語で検索しても良い情報はほとんどありません。ところが、英語で検索すると、スターゼリーのWikiもあり、写真つきで原因を考察したサイトが間単に見つかりました。

    スターゼリーの正体として挙げられているものには次のようなものがあります。

    ・鳥や動物の吐瀉物

    スターゼリー "Star jelly"のWikipediaに掲載されている、両生類の吐瀉物。スターゼリーに良く似ています。鳥や動物がカエルなどを食べた場合、栄養にならないゼリー状の卵巣、粘液などを吐き戻すことが知られています。

    ・イシクラゲ。淡水藍藻類、シアノバクテリアのコロニー。

    Wiki画像のイシクラゲ、Nostoc commune。これも良く似ています。なお、イシクラゲは食用にもなります。実食の記録がありました。結構おいしいそうです。

    イシクラゲ - Wikipedia イシクラゲの解説

    Gloeocystis、などの藻類。

    これもスターゼリーに良く似ています。

    Gloeocystis - Wikipedia 英語の簡単な解説。

    ・粘菌

    白い粘菌。スターゼリーの一部は粘菌もあることでしょう。

    真正粘菌(変形粘菌) - Wikipedia 粘菌の解説

    ・カエルの卵

    減水で地上に出てしまったカエルの卵。カエルの卵を他のものと間違える人は少ないでしょう。やはり他の動物に食べられた卵の吐き戻したものが、スターゼリーに誤認されたものが多いと思います。

    ・カエルの死骸(画像なし)
    死んだカエルが少し経つと腐敗と動物に食べられることにより、栄養にならない粘液、卵のゲル状物質だけが残されスターゼリーになる、という説があります。1824年に出版された「ヒキガエルの自然史」" Natural History of the Toad"にも、ヒキガエルの死骸がスターゼリーになることが書かれています。

    Exidia nucleata(ヒメキクラゲ類)

    これは良く似ています。これもWikiの画像ですが、この記事TOPのイギリスの2枚の画像もこれでしょう。画像検索でExidia nucleata検索すると似た写真がたくさん出てきます。

    Exidia - Wikipedia キクラゲ科のキノコExidia属のwiki。

    結論としてはやはり、Exidia nucleata(ヒメキクラゲ類)の誤認が一番多いと思います。雨上がりにはキクラゲ類は大きく膨らみます。トップの画像も雨上がりの草原の丘です。

    しかし、これらで説明のつかない事件がまだ残りますが、それぞれ合理性のある説明、仮説が英文サイトには書かれていました。

    1979年8月のテキサス州フリスコ、シビルクリスチャン夫人の事件は、バッテリー液が地面に漏れたものではないかという説がWikiに書かれています。

    1994年8月ワシントン州オークヴィルの事件はアメリカでも大きな事件でした。ブロブ(ゼリー)状の雨が降ったのは事実で、その原因が何か? ということははっきりとは分かっていません。軍用機がゲル状の生物兵器と思われる物質を散布したという説、航空機の廃棄した、し尿であるという説などがあるようです。事実、回収されたサンプルからは人の細胞が見つかったそうです。これはし尿説を裏付けるものですが、航空機からし尿を投棄する際には青色の消毒薬を混ぜている(のでゼリーも青色になる)はずだ、という反論もあります。

    1994年8月にワシントン州オークヴィルでゼリー状の物質が降り、それに触れた人が病気になったというのは事実ですが、それが宇宙由来のスター・ゼリーであるという根拠はありません。

    インド、ケーララ州に降った赤い雨については、日本語のWikiもあり詳しく考察されているので、ここでは概要のみ記載します。

    結論としては、空気中で繁殖する藻類が大雨により大繁殖し、その赤い胞子が雨に混じって降ってきたものという説が一番有力です。

    ケーララの赤い雨の試料(右下)と顕微鏡写真。


    地衣形成藻属の陸生藻類Trentepohlia。現地調査によれば、この地域のほとんどすべての木々、岩、はては街灯までこの藻類に覆われていたそうです。見ての通り赤い胞子をつけています。これが雨に混じって降ってきたのが、この赤い雨の真相のようです。

    Wikiには仮説として、番組でも紹介されていた宇宙からの飛来説も載っています。

    【関連リンク】
    Star jelly - Wikipedia 英語ですが、簡潔に分かりやすくまとまっています。
    Blood Rain and Star Jelly - DocuWiki BBCのスターゼリーと赤い雨のまとめWiki。
    The World's Best Photos of starjelly frickerからスターゼリーと誤認されるであろう画像をまとめています。
    Star Jelly Mystery solved スターゼリーの正体の仮説と、画像へのリンク。
    BBC - The 'jelly' mystery 2009年8月にスコットランドで見つかったスターゼリーについての報道。
    ケーララの赤い雨 - Wikipedia インドで降った赤い雨の解説。
    ファフロツキーズ - Wikipedia 雨に混じって魚や動物が降る現象の解説。

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    posted by 桜 真太郎 at 12:34 | Comment(0) | 自然